田中泯さんが久々に神戸にやってきます!
踊る場所は、西宮市の六甲山渓に位置する越木岩神社。周囲40メートル、高さ10メートルの花崗岩の大石―酒米を蒸すときに使う道具「甑」(こしき)に似ていることから「甑岩」と名付けられた―をご神体とする神社です。この「甑岩」以外にも、神社の周囲には「磐座」(いわくら)と呼ばれる古神道において信仰対象となった岩が点在しています。そのいくつかは、現在、開発の波に呑まれ取り壊されようとしています。
今回の「場踊り」では、ご神体としての「甑岩」のみならず、人々の生きる時間が重層的に流れる一帯&一体の場所を、田中泯さんに踊っていただきます。8月末日、この場所に田中泯さんに実際にお越しいただき、この度のイベントが実現することになりました。
「たった<一個のカラダ>が場所に向き合うことからはじまる踊り」を、公演(ショー)という形ではなく、みなさまにより純粋に感じていただくため非公開で行います。それをご本人の監修のもと、先鋭な撮影スタッフにより記録し、映像を編集していただきます。さらにみなさまをお招きし、映像上映に加え、田中泯さんご本人と市田良彦さん(神戸大学教授、社会思想史/哲学)の対談も交え、いつもとは少し違う「場踊り」を開催させていただきたいと思います。
風の気配が聞こえなくても、苔の匂いや木々の影のぬくもりが生のものでなくても、私たちは何かを発見できると期待しております。
私たちは何を「求めて」踊りを「見る」のでしょう。カラダは何を「求めて」踊るのでしょう。「語る」ことはそこにどうかかわるのでしょう。田中泯さんは、「すべてカラダからでしょ」と仰っていました。確かに私たちは生まれた瞬間から、最初の環境であるカラダと向き合います。何もかもがそこからはじまります。分かりやすい「答え」はないのでしょうが、この機会はきっと、それぞれの人のカラダに何かを残してくれる貴重な時間になると確信しております。
公演実行委員会より